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Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

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更新日 2013-03-20 | 作成日 2007-11-18

『あるある』問題に学ぶ(中)

~番組の結論は操作可能~

(2007年2月1日琉球新報寄稿文より改変)

あるある中用.jpg人気テレビ番組「発掘!あるある大辞典Ⅱ」が、虚偽のデータなどを用いて番組を制作していたことが大問題になっている。中には番組の内容を完全に信用していた視聴者もいるようで、その失望や怒りは想像に難くない。

ただし、今回失望感を持つ方は、今後、仮に健康情報番組が、データ偽装を100パーセントしないと仮定しても、決して安心してそれらを見るべきでないと忠告したい。「発掘!あるある大辞典」も含め、これまで健康情報番組制作を補助してきた立場から、その理由のいくつかをお話しする。

一つ目は、切り口により、番組の結論はどうにでも操作可能であるという点。例えば、「食材Aがダイエットに良い」という番組を作る。食材Aに糖分が多ければ、Aを食べると血糖値(血液中の糖分)の上がり方が早い。血糖値が上がると脳の満腹中枢が刺激され、早く満腹感を得るので食べすぎが防げる。よってAはダイエットに良いという番組制作が可能だ。

一方、Aに糖分が少なければ、Aを食べると血糖値の上がり方が遅い。血糖値の上がり方が遅いとインスリンという脂肪をためるホルモン分泌を刺激しにくい。よってAは体脂肪をためにくく、ダイエットに良いという番組を作ることができる。

切り口を「満腹中枢」にするか「インスリン分泌」にするか、その違いで全く違う現象を、全く同じ結論に結びつけることなど、私たちにとって朝飯前である。

さらに、この内容を大学の先生が言えば、素人で納得しない人はいないであろう。少子化の影響で経営難の大学も多い。知名度向上と引き換えに融通を利かせてくれる先生がいるのがご時世だ。

そもそも、健康情報番組を作る際には、催眠や洗脳術を使うことは別段珍しいことではない。

番組冒頭で「あなたの常識は間違っていた!」などと脅して、軽いトランス(興奮)状態に視聴者を導く。その後、スポットで登場する一人の科学者が言った内容を、スタジオにいる十人が納得する。十人中十人が納得する内容なら、百人いたら百人、一万人いたら一万人が納得する内容だとトランス状態の視聴者は暗示にかかる。

ハイハイ学校と呼ばれる催眠商法をご存じであろうか?「これ欲しい人!」。司会者の掛け声で周りが一斉に手を挙げると、つい自分も挙げないと損をするような心理状態に導き、商品を販売する商法である。番組の最後に司会者が「納豆食べたくなった人!」と号令をかける。暗示が上手く作用すれば、納豆を買いにスーパーへ走り出す人がいる始末だ。
(ダイエットガイド河口哲也)



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