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Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

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更新日 2013-03-20 | 作成日 2007-11-18

『あるある』問題に学ぶ(下)

~ドラマの中で商品を宣伝~

(2007年2月7日球新報寄稿文より改変)

人気テレビ番組「発掘!あるある大辞典Ⅱ」においてデータ等の偽装があった。そのことが話題に上がる度に、私は「あるあるの捏造(ねつぞう)は気にするのに、なぜドラマや映画のウソは気にならないのか?」と聞いて回る。するとほぼ全員同じ答えが返ってくる。「ドラマや映画はそもそも作り話だから、特に問題はない」

テレビ業界は今、いくつかの大きな問題に直面している。

メディアイメージ.jpg一つはインターネット広告の成長である。2005年11月に公表された公正取引委員会の調査資料によると、インターネット広告に企業の支払った広告料は、前年比で1.5倍以上の伸び率を示す。シェアでこそ十分の一にも満たないが、近々テレビ業界の主な収入源であるテレビ広告料を脅かす存在になることは恐らく間違いない。(※電通による2009年度の広告費推計では、テレビ広告費は1兆7,139億円、インターネット広告費は7,069億円で、インターネット広告はメディア別で第2位のシェアに躍進しています)

また、過去に放送された内容がインターネット上にさまざまな形で保存されてしまうのも、テレビ番組制作を難しくしてしまった。特に健康情報番組では、過去の放送内容と矛盾する番組は、インターネット上に保存された過去のデータと瞬時に照らし合わされるために作れない。ある制作会社の担当は、そのことを「爆弾を踏む」と表現していた。

さらに、業界が頭を抱えているのが、家庭用ハードディスクレコーダー(テレビ録画器)の普及である。

もし、友人にハードディスクレコーダーを持っている人がいたら「テレビCMは見るか?」と尋ねてみてほしい。きっと大半は「見ない」と答えるはずだ。見ないCMにお金を払うスポンサーは少ない。

発想をテレビ局側に変えよう。テレビCMを見なければ、CM以外で宣伝すればよい。つまり、ドラマの中でセリフの一つとして俳優に「○○の○○はおいしい」「○○は最高!」などと言ってもらえばいいのだ。

このように、ドラマや映画の中で商品を宣伝する広告手法をアドバテイメントと呼ぶ。

また、小道具としてスポンサーの商品をさりげなく使ったり、番組の設定としてある特定の業界のイメージアップを狙ったりすることも可能だ。あなたは、全員が同じ電話会社の携帯電話を使うドラマを見たことはないだろうか?最後は特定のメーカーの車が必ず勝つカーチェイスを見たことはないだろうか?

情報の裏には必ず発信者の意図がある。

その意図を探りながら情報に接するか否かで、今回の「あるある」問題のようなゆがんだ情報に再び踊らされるかどうかの確率は変わる。もちろんそれが悪いことではないという前提で、もう一度みなさんにお聞きしたい。「あなたは、ドラマや映画のウソは気にならないのか?」  


(ダイエットガイド)

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『あるある』問題に学ぶ(下)~ドラマの中で商品を宣伝~