(記事の読み方)ロデオボーイの通販番組に対して公取委が警告
6月12日、報道各社はテレビ朝日が制作したロデオボーイに関する通販番組に対し、公正取引委員会が景品表示法違反(誇大広告)だとして警告を発したという記事を報道しました。
不適正な番組で売れたロデオボーイの数は5万台以上(約15億円)に上るとのこと。
毎年のことではありますが、この手の出来事が後を絶たないのが悲しいかなダイエットの世界です。
今後、ダイエットガイド.jpでは、これら誇大広告に騙される消費者が少しでも減るように、ダイエット関連広告の見方、手法についても解説したいと思います。
今回はその前段階として、ダイエット報道の読み方のお話。
まずは、報道された記事の内容を私なりに書き直してみましたのでそれを読んでみてください。その後に、ダイエットガイドならこの記事をどういう読むかを解説したいと思います。
~ロデオボーイに関する報道記事例~
テレビ朝日は関東地方を中心に放映した通販番組「セレクションX」「通販スペシャル」や俳優の地井武男氏がナビゲートする「ちい散歩」で、ロデオボーイIIを使って体験者が大幅にやせたように放送。
具体的には、1日1時間の使用を3週間続けたモニター14人の体重が1.6~6.6kg減少したとする実験結果の一覧表などを番組内で紹介。
しかし、公正取引委員会がメーカーに問い合わせたところ、同じ使い方で理論上最大0.4kg程度の減量効果しかないことが判明。
このことにより、同委員会はテレビ朝日に対し、ロデオボーイが実際よりも著しく体重を減らす効果があるかのように誤解させる(景品表示法違反の)通販番組を放送したとして警告を発した。
テレビ朝日の番組内ではロデオボーイの効果について「ダイエット効果」とは謳わず「シェイプアップ」という表現を使用していたが、公正取引委員会は、それでも消費者は「大幅にやせる効果がある」と誤認する可能性があると判断。
テレビ朝日によると、番組で紹介した実験データは、モニター派遣会社に所属する男女14人によるもので、そのうち6人はロデオボーイII以外に食事制限も行っていたとのこと。
放送は平成18年6月から19年6月までの約1年間でその間の売り上げは約15億円(約5万3000台)になったという。
最近では、テレビ局が主体となりテレビ番組やインターネット上で商品を販売するケースが増える傾向にある。
テレビ朝日広報部は「警告を厳粛に受け止め、適切な表示に一層努める」とコメントしている。
この記事を、ダイエットガイドが読むとこうなります。
(後述と書いてある部分は、後日さらに詳しく解説します)
~ダイエットガイド(DG)的報道記事の読み方~
テレビ朝日は関東地方を中心に放映した通販番組「セレクションX」「通販スペシャル」や俳優の地井武男氏がナビゲートする「ちい散歩」で、ロデオボーイIIを使って体験者が大幅にやせたように放送。
(DG的解釈)、多かれ少なかれ通販番組ではダイエット商品を効果が高いかのように宣伝します。その点には注意を払う必要があるとして、これらの番組を見る際には別の注意も必要です。それは、これら通販番組ではそれらを使っても痩せない人がいるという販売にとってマイナスの事実(ネガティブな情報)は一切流さないこと。
具体的には、1日1時間の使用を3週間続けたモニター14人の体重が1.6~6.6kg減少したとする実験結果の一覧表などを番組内で紹介。
(DG的解釈)モニターの結果は単なる体験談であり、科学的な根拠とは必ずしも一致しません(後述)。まずはその点を理解していない消費者がほとんどなので、ダイエット商品の宣伝にはほぼ全てといっていいほどモニター結果が利用されます(後述)。
しかし、公正取引委員会がメーカーに問い合わせたところ、同じ使い方で理論上最大0.4kg程度の減量効果しかないことが判明。
(DG的解釈)公正取引委員会はおそらく似たような機器を作っているメーカに問い合わせをしたのでしょう。その問い合わせを行ったメーカでの実験では、ロデオボーイを1時間使用した時の消費エネルギー(負荷運動エネルギー※後述)は最大で135kcal程度であったという情報を得たのだと思います。
仮にそうだとすれば、毎日1時間使用したとして、3週間(21日)で総消費エネルギーは135×21=2835kcalと計算されます。
体脂肪1gを消費するために必要な消費エネルギーは7.2kcal(後述)です。
そこで、消費エネルギーが2835kcalでは(2835÷7.2=393.75g)約400g(0.4kg)の理論上の体重減少が起こる可能性があると計算したものと思います。
ちなみに135kcalというのは、ウォーキングと同程度の運動量になり、現実的にはそれで痩せるかどうかはまた次元が違う話です(参考:ペダル理論)。
このことにより、同委員会はテレビ朝日に対し、ロデオボーイが実際よりも著しく体重を減らす効果があるかのように誤解させる(景品表示法違反の)通販番組を放送したとして警告を発した。
(DG的解釈)景品表示法とは正式には「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。この法律では、実際のものよりも著しく優良であると示す表示(優良誤認)等を禁止しています。
今回は、テレビ朝日の番組がこの優良誤認に当たると公正取引委員会が判断したことになります。
要は宣伝も度が過ぎれば景品表示法により処罰される可能性があるということです。
個人的な見解としては、ロデオボーイより「ブルブル系(後述しません)」の宣伝の方が、誤解を与えているという点では匠の技だと感じています。
テレビ朝日の番組内ではロデオボーイの効果について「ダイエット効果」とは謳わず「シェイプアップ」という表現を使用していたが、公正取引委員会は、それでも消費者は「大幅にやせる効果がある」と誤認する可能性があると判断。
(DG的解釈)宣伝をする側は、当然景品表示法を知っているわけで、(一部の業者は)それを何とかギリギリの線ですり抜けることに熱心です(後述)。
そのための方法の一つが、今回も使われたあいまい戦術。
痩せないものに「痩せる」と言えば、誤解を与えているのは自明ですが、例えば「痩せる感じ」といえば、業者は「別に痩せると言っているわけではない」との主張(言い逃れ?)ができます。
「ダイエット」を「シェイプアップ」と表現するのも同じで、番組側としては「シェープアップ=痩せる」という意味ではないと言いたかったのでしょうが、公正取引委員会は「シェイプアップ」には「痩せる」という意味も当然含まれると判断したわけです。
テレビ朝日によると、番組で紹介した実験データは、モニター派遣会社に所属する男女14人によるもので、そのうち6人はロデオボーイII以外に食事制限も行っていたとのこと。
(DG的解釈)ダイエット広告ではいわゆるプロのモニターが使われるのはよくあることです。
要するに、広告主が満足するモニター結果を出すプロがいるということです。
新聞の折り込み広告などのダイエット関連モニターも、これらプロが絡んでいることが多々ありますので、誤解したくなければモニター結果を鵜呑みにしてはいけません。
放送は平成18年6月から19年6月までの約1年間でその間の売り上げは約15億円(約5万3000台)になったという。
(DG的解釈)毎年のことながら、ダイエット関連商品で騙される人の数がこの国は多すぎです!私はこの現状を本当に何とかしたいと思っています。(解釈ではなく感想になってしまった…)
最近では、テレビ局が主体となりテレビ番組やインターネット上で商品を販売するケースが増える傾向にある。
(DG的解釈)ハードディスクレコーダにテレビ番組を録画する人が増え、視聴の際にCMをスキップするために、番組と番組の間にCMを入れるビジネスモデルが崩壊しつつあります(後述)。
テレビ局側は次の手段としてアズバテイメント(番組自体をCMにする戦略※後述)という手法を頻繁に取り始めました。
テレビ局も商売ですからある程度はしかたがありませんが、今回のロデオボーイケースのような悪質なアドバテインメントはなくしてほしいものです。
テレビ朝日広報部は「警告を厳粛に受け止め、適切な表示に一層努める」とコメントしている。
(DG的解釈)よろしくお願いします。