ミス・ユニバース式(世界一の美女になる)ダイエット
2009.06.02
ひとことで言うと:セレブベジタリアンダイエットガイド 河口哲也
■■ ミス・ユニバース式(世界一の美女になる)ダイエット提唱者プロフィール ■■
エリカ・アンギャル(Erica Angyal)氏。オーストラリア・シドニー出身。ミス・ユニバース・ジャパン(MU)公式栄養コンサルタント。シドニー工科大学卒。健康衛生科学学士。ネイチャーカレッジ卒、栄養士。著書「”世界一美しい”A型美人になる方法(主婦と生活社)」、「世界一の美人になるダイエット(幻冬舎)」
■■ ミス・ユニバース式ダイエットの概略 ■■
最近流行のアンチエイジング系の食事法です。
結果的にフィッシュベジタリアン(魚は食べるベジタリアン)やポウヨウベジタリアン(鶏肉は食べるベジタリアン)を合体させたような食事法になっています。
ただし、畜肉を厳密に排除しているわけではありませんので、印象としては非常に緩やかなベジタリアンを呈しています。
箇条書きにすると次のような禁止事項と推奨事項があります。
○精製された炭水化物(白いパン、白米、砂糖など)は血糖値を上げやすいので食べません。ただし、炭水化物は適量必要なので、炭水化物抜きもNG。
○市販のサラダドレッシングは質のよくない精製油が入っていることが多いので使いません。代わりにオリーブオイルを中心にした手作りドレッシングを使います。
○抗酸化物質が多いので、濃い色の野菜を積極的に食べます。ただし、残留農薬問題を避けるため、野菜は有機野菜を選びます(特にブロッコリーと小松菜)。
○フルーツを積極的に食べます。特におすすめは抗酸化物質が多く含まれるトマトとブルーベリー。
○日本人の体質には合わないので牛乳や乳製品は食べません。代わりにカルシウム源としては魚の缶詰、濃い緑の葉野菜、豆腐や納豆、ひじきやわかめなどの海藻、ドライイチジク、海藻を食べます。
○1日2個の卵を食べます。卵は放し飼いかオーガニックの卵を選びましょう。
○ナッツ類、特にアーモンドは血糖値を安定させるので食べましょう。
○生ものはその食品自体のもつ酵素活性失われていないため、消化を助けます。意識して生ものを食べるようにします。
○水はこまめに摂りましょう。水抜きダイエットはNG。
○肌によい油(オメガ3とオメガ9)を摂るために、青魚(サーモン含む)、アーモンドやアボガド、オリーブオイルを食べます。逆に肌の老化をすすめるトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング、ファストフードのポテト、ポテトチップスなどに含まれる)は食べません。
○良質のたんぱく源として毎食手のひらサイズの肉や魚を食べます(卵や納豆などの植物性のたんぱく源でも可)。
○甘い物を食べたくなった時はドライフルーツとカカオ70パーセント以上のダークチョコレートがおすすめ。ソフトドリンクやアイスクリームは老化を進める砂糖やトランス脂肪酸が含まれるので食べません。
○髪や爪の艶を出すために牡蛎、アボガド、舞茸、焼き海苔など亜鉛を多く含む食品を意識して食べます。
○サプリを摂るならDHA、EPAとマルチビタミンがおすすめ。
○肉や乳製品に含まれる動物性脂肪は食べないようにします。
○運動はやりすぎも少なすぎも問題です。有酸素運動と筋トレを週に2~3回、30分程度行います。
○朝は青汁でスタートします。
○ゆっくり食べる習慣をつけましょう。
○化学調味料、人工甘味料、糖類、香料、酸化防止剤などの添加物は老化をすすめるので食べないようにします。そのために「おばあちゃんが知らないような原料が入っている食材は買わない」と考えて食材の買い出しをします。
○発酵食品(ヨーグルト、納豆、ぬか漬けなど)は腸内細菌を整えるので、特に不調を感じるときは意識して食べましょう。
○美容のために一日8時間は眠りましょう。
■■ ミス・ユニバース式ダイエットのダイエットガイド的解釈 ■■
提唱者エリカ・アンギャル氏の著書(世界一の美人になるダイエット/幻冬舎)を読む限り、日本のアンチエイジング系ダイエット法の指導者にありがちな誇大な表現も少なく、安心して紹介できるダイエット法です。
ただし、全体としてはダイエット(痩身)の次の段階(アンチエイジング)の話がメインですので、意地悪な言い方をすれば「ダイエットを卒業した人が行うダイエット法」と言えなくもありません。
■■ ミス・ユニバース式ダイエットが向く人向かない人 ■■
仮説に基づく行動が多いとしても、新しい学問であるアンチエイジングの世界ではある程度やむを得ない話なので、そのあたりの溜飲を下げてしまえば万人におすすめできる内容です。
ただし、解釈でも書きましたが、現在実際に太っている方が取り組むには枝葉的な内容が多いので、その点には注意が必要です。
■■ ミス・ユニバースダイエットの落とし穴 ■■
重箱の隅をつつくような話で恐縮ですが、オメガ6系やオメガ3系などの油にまでこだわるダイエット法のわりには、著作の中で美しくなる油と美を害する油を大きく分けると『「植物性の油と魚の脂肪」はOK、トランス脂肪酸は完全アウト、「肉や乳製品に含まれる動物性脂肪は」NG』となっているのは理解に苦しみます。
植物性油脂の中にもパーム油のような動物性油脂よりも飽和脂肪酸が多いものが大量に出回っているので、むしろ注意すべきは植物性の油の方ではないでしょうか。
誤訳か食品表示に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合を表示する義務が本邦にはないため、結果的に出回る油脂の種類が外国とは異なる日本の事情をご存じないのかもしれません。
注意:文末に書籍の紹介があるダイエット法は、著者等に配慮し、あえてダイエット法の一部のみ、または独自の解釈によりその内容を紹介しております。すなわち、このサイトで得られる情報は、そのダイエット法を正確に反映しておらず、そのダイエット法の雰囲気のみの紹介になります。ダイエット法に対する正確な情報を得るためには、必ず書店等で原書をご購入の上ご確認いただきますようお願いいたします。なお、河口哲也執筆のダイエットガイド的解釈および評価・寸評に関しましては、ダイエットガイド河口哲也の独自の意見ですので、著者等への配慮はございません。