国立病院ダイエット
2011.9.18
ひとで言うと:元祖怪文書系ダイエット
ダイエットガイド 河口哲也
■■ 国立病院ダイエットのダイエットガイド的解釈 ■■ (執筆:河口哲也)
ダイエットの世界はおもしろいもので、出所不明のダイエット法が口コミで広がってちょっとしたブームになることが時折あります。例えば、2005年ごろには、7日間脂肪燃焼スープダイエットというものがインターネット経由の口コミで広まりましたが、結局だれがそれを最初に提唱したのか未だに良く分かっていません。
私はそのようなダイエット法を怪文書系ダイエットと読んでいますが、怪文書系ダイエットの元祖として特筆しておく必要があるのが、国立病院ダイエットです。国立病院ダイエットが騒がれ始めたのは1990年代前半で、当時はA4サイズの一枚紙にそのダイエット法が記載され、ファクシミリ使って人から人へ伝播していました(インターネットどころか携帯電話すら普及しておらず、みんなポケベルを持っていた時代です)。
そして、この国立病院ダイエットで、もうひとつ特筆すべきは、おそらく美容目的のダイエットの世界に、本邦の医学界の先生方が「危険なダイエット法」として口をはさみ始めた最初の事例であると思われることです(欧米ではそれ以前にプロテインダイエットなどが問題になりました)。現実的には、国立病院ダイエットは2週間の”断食”の一種であると考えれば、それほど目くじらを立てる必要がないダイエット法ですが、当時は「国立病院」という冠を付けた出所不明のダイエット法が無秩序に伝播する状況に医学界がヒステリックに対応している印象をうけました。
今回国立病院ダイエットをダイエット法100選に入れたのは、そういった歴史的な背景を考慮してのことですので、安易に実践されないようにご注意ください(あくまでも断食の一種ですので、このダイエット法の栄養バランスはとれていません)。