2011.9.9

ひとで言うと：セミベジタリアンのすすめ

ダイエットガイド　河口哲也

テリー・新谷（てりー　しんたに）。医学博士。法学博士。公衆衛生学修士。ハワイ・ヘルス財団理事。栄養学修士。ハワイ大学医学部補完代替医療学科副部長。全米生活習慣病協会委員。ハワイ大学の法学部と医学部を卒業後、ハーバード大学で栄養学を勉強する。その後、ハワイ・ヘルス財団理事を務める傍ら、ハワイ大学医学部補完代替医療学科副部長を兼務する。テリー氏の提唱したハワイ・ダイエットは米国最高栄誉賞を受賞。

大田且子（おおた・かつこ）。米国公認会計士。大田平和総合研究所研究員。ＡＩＣＰＡ会員。ハワイ大学大学院で会計学修士を取得し、アメリカのＫＰＭＧで公認会計士を務める。その後、衆議院議員公設秘書を経て、日本企業へのコンサルティング、大田平和総合研究所研究員。

ハワイ・ダイエットとは、ハワイの伝統的な食事を行なうことで体内環境を改善し、痩せやすい体質を手に入れることを目標としたダイエット法です。

ハワイは全米一肥満が多い州であり、ハワイ人の64％が肥満といいます。しかし、古代のハワイ人は、文献などの内容から理想的な体型で、肥満者もほとんどいないことがわかっています。

そこに目をつけたのが医学博士のテリー先生でした。テリー先生は現在のハワイ人の肥満改善をするために、古代のハワイ人の食生活を研究しました。その研究結果をハワイの肥満者に実行したところ、体質が改善され、多くの肥満者がダイエットに成功しました。

その時の実践データを下に、一般人にも実行できるよう改良されたのが「ハワイ・ダイエット」です。

○1日の食事の量と質にこだわる

ハワイ・ダイエットには食べてはいけない食材はありませんが、たくさん食べてよいものとそうでないものはあります。

例えば食べてよい炭水化物は玄米や発芽パンなどの複合糖質で、油ならエクストラバージンオイルやオリーブオイルなどの単価不飽和脂肪酸が良いとされます。

そして、食事は野菜を中心にとり、肉類やバターなどの動物性食品は1日30gまでとします。

○各食品の1食分の目安

ハワイ・ダイエットでは１食で何をどれだけ食べればよいかの目安があります。図を参考に、できるだけ似たような分量で食事をするようにします。

○食品選びに悩んだらSMI値を参考にする

SMIとはテリー先生が考案した「新谷・マス・インデックス」の略です。このSMIは、どの食品をどれだけ食べれば2,500kcal（一般人の平均的な消費カロリー）になるかを表しています。

たとえば、トマトのSMI値は12.4kg。トマトを１日に12.4kgも食べられる人はそうはいません。ですから、トマトはどんなに食べても1日の消費カロリーをオーバーしない太りにく食品ということになります。

小腹がすいたときの間食などはこのSMI値が高いものを食べることがすすめられています。

○適度な運動を行なう

ハワイ・ダイエットの中心は食生活の改善ですので、運動は必須事項ではありません。しかし運動を行なうことは、減量を効果的にしてくれるので取り入れたい事項です。運動を行なう場合は、1日に30分程度の有酸素運運動を取り入れるのが理想です。ウォーキングやジョギング水泳やエアロビクスダンスなど、自分にあった有酸素運動を継続させていきましょう。もし1日30分の運動ができない場合は、1日におきでもいいので少しずつでも実行してみましょう。

○食品を上手に選ぶ

食べる食材は栄養が豊富なほうが良いです。ですから、季節に合った食品や、地元にある食品、その土地の気候に合った食品を買うようにしましょう。また、野菜や穀物はできるだけ有機栽培されたものを選ぶようにします。

○心身のバランスを整える

過度なストレスは体内環境を狂わし、過食を誘発させるなどのダイエットの成功率を下げる要因となってしまいます。ですから、心身のバランスを整えるのはダイエットでは重要なことです。たとえば、瞑想で心を落ち着かせたり、笑えるような場所に行ったりするなどして、心身のバランスを整える工夫をしましょう。

○食事を特別な事ととらえる

古代のハワイの人々は、食事を「アロハ・マナ・ポノ・ロカヒ・ロカヒ・アロハ・クム」という気持ちで向き合っていました。日本語に訳すると「大勢で一緒に、和やかな食卓を囲み、食前には祈りを捧げ、季節の食材や地元で生産した食材を、心を込めて料理し、作った人や自然、神に感謝して食べましょう。」という意味です。

しっかりと食事と向き合うことが精神面や知識面を成長させ、ダイエットの成功率を上げてくれます。食事をする際はこの精神を忘れないことが大切です。

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