血糖コントロールダイエット
2011.9.17
ひとで言うと:夜の炭水化物を控えよ
ダイエットガイド 河口哲也
■■ 血糖コントロールダイエット発案者プロフィール ■■
戸田晴実(とだ はるみ)。株式会社予防医学総研代表取締役。慶應義塾大学環境情報学部講師。日本ダイエット協会会長。日本旅セラピー協会会長。ルスツリゾート健康村村長。TOKYO体操監修。1999年に東京大学大学院医学部健康増進科学研究室修了後、上智大学の講師として務める。また2002年には中央大学商学部の講師をし、2007年現職の慶應義塾大学環境情報学部講師となる。2010年からは日本ダイエット協会会長や日本旅セラピー協会会長などを務める。主な著書に「モテスリムダイエット/講談社」「3行ダイエット/主婦の友社」「健康自己管理マニュアル/まどか出版」などがある。
■■ 血糖コントロールダイエットの概略 ■■(執筆:higa takeshi)
血糖値コントロールダイエットとは、血液中のブドウ糖の量を示す指標である血糖値を食事でコントロールすることで、太りにくい体質を作ることを目標としたダイエット法です。
私たちは米やパンなどの炭水化物を多く含む食品を食べると、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が上がります。血糖値の増減は食欲に関与していて、血糖値が上がると満腹感を感じ、逆に血糖値が下がると空腹感を感じます。
一定の量の炭水化物を規則正しく食べていれば通常血糖値は安定するのですが、もし過食しすぎると、血糖値が過剰に上がり、血液がドロドロになり、動脈硬化や高血圧の一因となります。
人間の体はそれを防ぐために、血糖値が上がった場合、血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌します。
インスリンは、血糖値を下げる働きと同時に、血液中の余分なブドウ糖を脂肪に蓄える働きをします。つまり、血糖値が高い状態を作り出すことが結果的に肥満の原因となってしまうのです。
逆に血糖値が低い状態を維持すると、今度はグルカゴンというホルモンが分泌されます。グルカゴンは、下がりすぎた血糖値を上げ、血糖値を一定に保つように作用します。
もし十分なブドウ糖の摂取がない場合は、グルカゴンの働きにより、筋組織や肝臓などに蓄えられているグリコーゲンというエネルギーを利用し、血糖値を上げようとするのです。
このグリコーゲンはそれほど多く蓄えられていいないので、グリコーゲンが枯渇しはじめると、今度は、脂肪のエネルギーを使用して血糖値の安定がはかられます。
つまり、血糖値が低い状態であれば、体内の脂肪が燃焼する条件が整った痩せやすい体質となるのです。
肥満を改善するために、これらの作用に注目したのが戸田先生でした。血糖値を低いままで維持し続ける食生活を行うことが血糖コントロールダイエットでは重要となります。
■■ 血糖コントロールダイエットの実践方法 ■■
○血糖指数を把握する
血糖コントロールダイエットでは、まず血糖値を上げる原因である炭水化物をコントロールすることが重視します。基本的には、米やパン、パスタなどの炭水化物を多く含む食品を朝に多くとるようにし、夜の摂取量が一番少ないように食生活を変えます。
朝昼晩の具体的な炭水化物の摂取目安は下表の血糖指数を参考にします。血糖指数とは、戸田先生が考えた指数で、糖質(炭水化物)1gが1となっています。つまり、血糖指数70とは、糖質70gということです。
○アミノ酸を摂取する。
アミノ酸とは、肉類などに含まれるタンパク質の構成物質です。戸田先生によると、アミノ酸をしっかりと取ることで筋肉が落ちずに、グラマーなボディーラインを作ることができるそうです。
ちなみに、タンパク質に含まれるアミノ酸の量を「アミノ指数」で表しています。血糖値数と同じように、表を参考にしながら取り入れていきましょう。
アミノ指数は、炭水化物とは逆に朝が少なく、夜に多く摂るようになっています。それは私たちが寝ている間に分泌される成長ホルモンの作用で体の組織を作る際に必要だからです。夜はご飯をたくさん食べるのではなく、思い切って肉だけにしてみるのも良い手だと戸田先生はいいます。
○食物繊維は毎食摂るようにする
食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにする作用があるため、血糖値を低く維持するためにとても役立ちます。また、便通を助ける作用もありますので、体内環境を改善するためにはうってつけです。
血糖コントロールダイエットにおいては、食物繊維の量を「ファイバー指数」で表します。ファイバー指数は毎食共通で「7(約7g)以上」摂るように心がけましょう。
食物繊維の場合はいくらとっても大丈夫ですので、ファイバー指数は摂取すべき最低ラインを表していると考えましょう。
○1日5分の運動を行なう
運動は必須事項ではありません。しかし、運動を行なうことで、脂肪が燃焼したり、血行がよくなったり、筋肉が維持できたりと、減量面だけでなく、健康面でも利点が多くあります。ですから、できれば1日最低でも5分ぐらいは軽めの運動をする時間を作りましょう。
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