50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表(講談社)/南雲 吉則著
評価:★★★★★
結局何をやるべきか以前の、南雲先生の考える「そもそも論」が刺激的です。
例えば糖尿病の解釈。南雲先生は、糖尿病は砂糖のような血糖値を急激に上げる食べ物を食べ続け、脂肪が溜まりすぎた人の適応現象だと説明します。つまり、それ以上太らないようにホルモンの効きを悪くして、最終的には尿から糖を排出している体の努力なのだと。
野菜と果物に対する解釈もまた斬新。そもそも果物は自分の種を食べられることによって拡散させたいために甘くなって人に“食べられたがっている”が、野菜は逆に“食べられないように”アク(えぐみや苦み)を持ていると解釈します。だから野菜を食べるときは、茹でるなどして毒素を出すべきなのだと。
このことについては、野菜は、アクを減らすためにこれまで人により品種改良が続けられ、レタスのような生で食べることができる葉野菜もでき、すでに多くの野菜は“食べられたがっている”し、そもそも論で言えば、果物だって品種改良前は決して今の果物みたいに甘くはなかったと反論したいところです。しかし、「その結果、農薬なしでは栽培できなくなった」と続けられては、そうかもしれん…と久しぶりに考え方を改めさせられました。
その他にも、卵や麦芽のプリン体もそれらが食べられないための“毒”と解釈されていたり、ガンは延命のための救世主であると解釈されていたり、賛否は別として考えさせられるテーマが盛りだくさんです。
南雲式アンチエイジング(ダイエット100選)