ダイエットガイド.jp

Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

ブレイク.jpg

| HOME | 百家争鳴ダイエット学 | 不十分な知識(ダイエットガイド河口哲也)  |

更新日 2013-03-20 | 作成日 2007-11-18

「食育」の教育を学校で

~不十分な知識~

百家争鳴ダイエット学14(2005年5月5日沖縄タイムス寄稿文より改変)

昨年、沖縄県のある市が数百万円の肥満対策の予算を組んだ時、本人としては激励の意味を込めて「ムダなこと」とわざわざ担当官に言いに行った。どんなに私たちが声を大にして、あるべき食生活やあるべき生活態度を訴えたとしても、産業界は、さらに大きな声で彼らにとってあるべき食生活を訴えてくる。

ジャンクフード200.jpg予算の規模でいえば大手食品会社“一社”の宣伝広告費ですら、先の市が計上した予算の一千倍以上を使っている。「さまざまな専門家が肥満防止のために、これを食べるのは控えましょう」という声と「食品会社や外食産業が、ぜひこれを食べましょう」という声は決してバランスが取れていないのが現状である。

もちろん自社製品を宣伝することは自由であるべきだし、私たちも健康的か否かにかかわらず、食べるものは自分で自由に選択できる社会のほうが豊かでいいとは思う。問題はそのような豊かな社会が実現したにもかかわらず、日本人の多くが食の選択に必要な知識を十分に持ち合わせていないため生活習慣病で自らの身体をむしばんでいることである。

一つの解決策は、大人になってからではなく、子どものころから食に関する知識を十分に与えることである。小学校や中学校での主要科目に「食育」を加え、高校入試に「食育」というカテゴリーが登場しても、本人やこの国の国益のためにも決して悪いことではないと思う。

「脳は糖しか栄養にしないので、もっと砂糖を食べよう」という宣伝にはデンプンや炭水化物が糖の別名であることさえ知っていれば余計な不安をあおられることはない。

サーロインステーキの四割以上は脂で、その脂は砂糖に比べて2倍以上のカロリーがあることを知っていれば、より適切に肉食を楽しめるのではないだろうか。

ベジタリアンのベジタはベジタブルのベジタではなく、ラテン語で「完全な、健全な」を意味する「ベゲスト」に由来する。実際に乳製品や卵、時には魚を食べるベジタリアンが世界的には多いことを知れば、日本人が抱きがちな「ベジタリアン=野菜を食べる人」という先入観も変化するような気がする。

沖縄県はくしくも他県を圧倒する肥満先進県である。そのため県民の平均寿命が目に見えて短くなっているし、医療費の急増などさまざまな問題が噴出している。肥満先進県として実害と汚名を返上するためには、子どもにも、大人にも先進的でより多くの食育(知識)が必要ではないだろうか?


(ダイエットガイド河口哲也)

LinkIcon百家争鳴ダイエット学1~ブーム終了難しくない~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学2~目指すは「今よりやせる」~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学3~大戦で使われた「やせ薬」~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学4~「体に悪い」って本当?~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学5~肥満児放置という虐待~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学6~科学者はゲストに呼ばない~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学7~合法的に“誤解”させる~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学8~行き過ぎは差別助長~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学9~「得」は何か見極めて~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学10~運動するには時間確保優先~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学11~やせて失う利点もある~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学12~通勤と運動を同時に~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学13~真実の探求者を惑わす~
百家争鳴ダイエット学14~「食育」の教育を学校で~
LinkIcon百家争鳴ダイエット学15~時期を待つ勇気も必要~