目指すは「今よりやせる」
百家争鳴ダイエット学(2005年2月10日沖縄タイムス寄稿文より改変)
「ダイエットの意味を知ってますか?英語の辞書でDietを調べてみて下さい。日常の食事、または病気の治療目的の食事、すなわち健康になるための食事と書いてあるはずです。このように本当のダイエットとは、やせることではなく健康になることなのです」
ある栄養学の専門家はこのように仰っていた。
確かに語源の説明としては間違っていないが、語源をすなわち意味とするのは少しムリがあるのではないだろうか?現代では下駄箱に下駄を入れる人も茶碗で茶を飲む人もあまりいない。
医師系の減量の指導者はこういう。
「最も病気になりにくい体重すなわち標準体重を目指すことがダイエットです」
標準体重とは身長に応じて導き出される体重のことで、例えば身長160cmの人ならば男女ともに約56.3kg、165cmならば59.9kg、170cmの人ならば63.3キロである。
以前、厚生労働省が行なった調査では、15歳から29歳までの女性の約60パーセントが「現在、体重を減らそうとしている」と答えている。しかし、この年代の女性に標準体重を著しくオーバーしたいわゆる肥満の女性は10パーセントも存在しない。体重を減らそうとしている女性の多くがすでに標準体重より体重が軽いのである。
標準体重を目指すことがダイエットであるならば、若い女性の多くは太らなければならない。
私自身はダイエットとは単に今よりも痩せることだと考えている。体脂肪を減らすことだと言いかえてもいい。
そして、10代から30代までの女性に限定すればダイエットの最大の目的は、健康ではなく美容であると思っている。目指すところは人気女優やファッションモデル、もしくは彼女たちが着ている服が似合う身体である。
ある時、無用心にも栄養士との会合でそんな話を堂々としていたら、酒の勢いもあってスゴイけんまくで怒られたことがある。
「あなたのような人がいるから若い女性の痩せ願望がなくならないのです。ファッションモデルや女優はいわば商品。痩せすぎていて健康的ではありません」
口では思わず「スミマセン」と謝ってしまったが、心の中では違う言葉が浮かんだ。
「健康的ではないことを健康的に行うからダイエットには魅力がある。だれもが簡単にできることには人は熱中しないものだ」
(ダイエットガイド)
百家争鳴ダイエット学3~大戦で使われた「やせ薬」~へつづく

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