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Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

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更新日 2013-03-20 | 作成日 2007-11-18

大戦で使われた「やせ薬」

百家争鳴ダイエット学3(2005年2月17日沖縄タイムス寄稿文より改変)

3月も半ばにさしかかるとダイエットの世界はしだいに慌ただしくなる。ダイエットが最もメディアで取り上げられるのは夏を目前にした6月頃で、我々関係者は今年のブームが何かを探ったり決めたりしなければならないからだ。

私のもとへは取材と称して雑誌社やテレビ番組の制作会社から頻繁に連絡が来るようになるし、私も「たまたま近くを通るために」彼らのもとへわざわざ上京する。

「パワーヨーガじゃないかと思いますが…」「ピラティスもいいですよ」昨年のちょうど今頃、ある美容と健康を専門にする女性誌のライターさんとそんな会話をしていた。

ヨーガ.jpgパワーヨーガとはインド生まれのヨガに筋肉トレーニングの要素を加えたエクササイズ(運動法)で、欧米では定番のエクササイズの一つである。一方ピラティスも米国を中心に一定の人気を誇るエクササイズで、共に呼吸法や心の安定にこだわり、ゆるやかで正確な動きを行なうなど両者に共通点も多い。

「戦争だからね…エクササイズも癒し系でしょ」なぜそれがはやるのか、二人の根拠は見事に一致していた。

次に会う人には「今年はパワーヨーガかピラティスですね」と言って私はやがて情報のわらしべ長者となる。

そもそも戦争とダイエットは関わりが深い。

日本において栄養学の発展は明治時代の強兵政策と切り離すことはできないし、やせ薬の原型といわれる物質は、もともとは第二次世界大戦で軍事目的で使用されていたものである。

食欲や疲労感を抑え、何も食べずに長時間元気に戦わせる薬、すなわち平時においてはやせ薬である。念のためではあるが、それらのやせ薬は精神崩壊や心疾患などのリスクを伴うため、やせ薬として合法的に入手できる国は少ない。

現在日本は戦時下にはない。が、ここ数年沖縄の空が少しずつきな臭くなっていると感じているのは私だけであろうか?

昨年ピラティスのスタジオを普天間飛行場の近くで見つけ、その驚くほど高い完成度と心地よさに魅せられ、今でも月に数回は通っている。

第一次世界大戦中、負傷兵のリハビリプログラムとして開発されたエクササイズが、百年の時を経ていまだに人々の心と身体を癒している。

開発者のピラティス氏がこの現状を知ったら、きっと複雑な思いがするのではないだろうか…。

(ダイエットガイド河口哲也)

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百家争鳴ダイエット学3~大戦で使われた「やせ薬」~
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