FDAで肥満治療薬「Qsymia(キューシミア)」が承認された
2012年7月12日に、米食品医薬品局(FDA)で新たな肥満治療薬「Qsymia(キューシミア)」を承認したとのことだ。
「Qsymia(キューシミア)」は、以前「Qnexa(キューネクサ)」と呼ばれていたが、今回の承認に伴い、すでに販売されている別の薬と紛らわしいとの理由から、FDAが名称変更をさせた。
FDAの調べによれば、肥満または太り気味の4430人を対象に実施キューシミアの臨床試験では、それを投与した約半数が10%の減量に、そして5%の減量には約8割の人が成功した。具体的な数字だと、対象者の体重を平均で約7kgも減らせたとのことだ(平均体重が約103kgから約93kgに減ったとの実験データより)。
これは2012年6月頃に承認された「Belviq(ベルヴィーク)」では、対象者の体重を平均で約6kg減らしたとのデータより、キューシミアはベルヴィークよりも効果があることが認められた(平均体重が約100kgから約94kgに減ったとの実験データより)。
キューミシアの効果は製造元の米ビバスによると、肥満の改善だけでなく、血圧やコレステロール値を下げ、肥満との関連が指摘される2型糖尿病の発症率を下げる効果もあると公表している。
しかし、キューミシアには良い効果だけでなく副作用も存在します。臨床試験に参加した患者の一部に心拍数の上昇がみられたほか、過呼吸や疲労感、食欲不振などを招く代謝性アシドーシスと診断される人もでてきたそうだ。
また妊婦が服用した場合、キューミシアに含まれる抗てんかん剤「トピラマート」と呼ばれる物質が、胎児に口唇裂(こうしんれつ)や口蓋裂(こうがいれつ)にしてしまう危険性があるとも言われている。
本製薬にはラベルに出産適齢期の女性が本薬を服用する場合、産児制限が必要との警告を表示しているのだが、2年間の臨床試験中に34人の女性が妊娠していたが、生まれた子どもたちに先天異常はみられなかったとビバスはコメントしている。
FDAは、キューシミアの処方対象となるのはBMI27(身長(m)×身長(m)×27)を超える高血圧や糖尿病などを患っている人々と制限をかけている。ただし、一部の課題は承認後に持ち越されている。FDAはキューシミアによる循環器系への影響についてビバス側に調査を要求、同社は承認後に実施すると表明していた。
なお過去のダイエット薬では医師が希望者に簡単に処方してしまった例もあるため、キューシミアは2010年、FDAの諮問委員会で承認勧告がいったん否決されたが、ビバス側が販売ルート制限などの対策や臨床試験の追加データを示した結果、今回の承認に至った。
ちなみに「Belviq(ベルヴィーク)」について興味のある方は「米FDAが肥満治療薬「Belviq」(ロルカセリン)を承認した!?」の記事を参考にしてください。
(2012/07/18)
執筆:比嘉 武詩
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