肥満者増大で食糧危機になってしまう!?(ダイエットガイド.jp)

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Dietguide:Tetsuya Kawaguchi

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更新日 2012-10-03 | 作成日 2007-11-18

肥満者増大で食糧危機になってしまう!?

2012年6月18日、医学誌BMCパブリック・ヘルス(BMC Public Health) に英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine、LSHTM) の研究チームが、「先進国の人々が太り続ければ、限りある地球の資源への大きな脅威となると警鐘を鳴らし、未開発・開発途上国での人口爆発を資源危機の原因とする考えは誤り」という研究論文を発表した。

論文によれば、全ての国で肥満度指数(BMI)の分布が米国並みとなれば、人間のバイオマス(生物総量)は5800万トン増加するそうだ。これは平均的な体重の人数に換算すれば9億3500万人分にあたいする。つまり、体重が増えれば、活動時も不活動時でも摂取する食物量は増えるので食糧危機を招く恐れがあるということだ。

論文の共著者であるIan Roberts(イアン・ロバーツ)氏は、食糧問題は単純に貧困国の人口爆発だけだと思うのは軽薄であり、生命を維持する肉体の質量にも目をやらねばならないとコメントしている。もし身体の質量をも考慮するならば肥満度が高い国々も責任があることになる。

なお研究チームによれば、世界のなかで北米人口が占める割合は6%だが、世界の過剰な体重に占める割合は34%に上るそうだ。一方、世界人口の61%を占めるアジアは、肥満の割合は世界の13%と皮肉な数字が提示されていた。この指標は人間のバイオマス1トン分は、北米では成人12人分、アジアでは17人分に相当する計算になる。

北米では人口の74%は太りすぎで、欧州の56%、アジアの24%、アフリカの29%と比較して極めて高い割合だ。その太りすぎの国民が必要以上に食べ物を消費するので、食物価格が上がり、結果的に貧しい国々を食料不足と貧しさに追いやる形となるとIan氏はコメントしている。


(2012/07/23)

執筆:比嘉 武詩


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